ファシスト・イタリア史のオススメ書籍
人間ドラマと見ても面白いし中堅国の悲哀と見ても味わい深い、そんな国の歴史を是非。
歴史は専門外ですが、個人的に読んで面白かったり、評価が高かったりする本をコメントともに列挙してます。
なお、細字は書評を書く気力が尽きただけでオススメです。
Amazonに在庫がある、再販された本についてはリンクも貼ってますのでどうぞ。
<通史・ムッソリーニ史>
・マクス=ガロ『ムッソリーニの時代』
基本的にムッソリーニには批判的な立場から書かれた
ムッソリーニを中心としたイタリア通史。下と合わせて読むとなお良し。
・ロマノ=ヴルピッタ『ムッソリーニ 一イタリア人の物語』
上述の本とは対照的に、ムッソリーニに好意的な立場から書かれた
ムッソリーニを中心としたイタリア通史。
エリートとしてのムッソリーニ、愛国者としてのムッソリーニを力強く描いた、
読み物としても非常に面白い良書。上述の本と合わせて読むとなお良し。
ちくまから文庫化されました(17/8/7)→http://amzn.to/2Ak8wBt
・森田鉄郎『イタリア現代史』
統一後のイタリアを経済・社会・外交・文化と満遍なく網羅している学術書。
古い本で文体は固いが当時のイタリアを少なめのページ数で概観できる良書。
・S=コラリーツィ『イタリア20世紀史-熱狂と恐怖と希望の100年-』
600ページに及ぶすさまじい分量をもって、20世紀イタリアの国内政治、
外交、経済、軍事、社会、文化を網羅した史上最大の通史・概説書。実質辞書。
値段も凄まじく、読み切るのに時間はかかりますが中身は保証します。
これを一冊読み切れた貴方は立派なイタリア狂いです。
8640円しますがAmazonでも売ってます→http://amzn.to/2A9UelO
<外交史>
石田憲『地中海新ローマ帝国の道』
著者の博士論文。1930年代後半のイタリア外交を国内の政策形成過程から見ている。
イタリアが外交的選択肢を徐々に失っていく様子が知れて面白かったが途中で止まっている。
同『日独伊三国軍事同盟の起源』
イタリア外交史を専門とする研究者による三国同盟の成立過程、実態を描く学術書。
日独伊英4ヶ国の外交政策決定の構造を図式化してみたり、イタリア外交官をタイプ別に
分類してみたりと新しい視点、試みが多く詰め込まれた良書。
学術書にもかかわらず非常にテンポの良い文体で、読み物としても面白く、
取り上げられるエピソードや過程は架空戦記を書く上でも役立ちそう。
学術書にしては安めの価格設定です→http://amzn.to/2hdgTK7
同『ファシストの戦争 エチオピア戦争』
個々の人物に焦点を当てつつエチオピア戦争をイタリア側から見ている。
1章しか読めていないがグランディやバルボが出てきて面白かった。
岡倉・エチオピアの歴史
エチオピア戦争、エチオピア占領地の実態を簡潔に把握可能。
どうも軍事に関わる記述は怪しいらしい。
<社会史・経済史>
シチリア・マフィアの世界
題名の通り。マフィア文化を文庫サイズで教えてくれる良書。
これを読んだ上でゴッド・ファーザーを読むとかなり見え方が変わります。
Amazonでも売ってます。→http://amzn.to/2lSglLp
・合わなかったけど中身は良い本
第三のローマ
ーファシスト・イタリアにおけるローマ建設が主題。
柔らかいファシズム
ーファシズム下イタリアにおける国家的娯楽を扱っている。
松浦・イタリア経済
イタリア・ファシズム経済
<軍事史・戦史>
・吉川和篤『イタリア軍入門』
・同『Viva! 知られざるイタリア軍』
イタリア軍といえばという2冊。
イタリア軍の戦いとその戦果や結果、使用した兵器や軍装一覧を網羅。
第二次世界大戦イタリアを語るなら是非とも読んでおきたい必読の2冊。
イタリア軍入門→http://amzn.to/2A9K8S4
Viva! 知られざるイタリア軍→http://amzn.to/2lTSc7i
・B.P.ボスケージ『ムッソリーニの戦い』
・同『イタリア敗戦記』
著者は学者でないが専門家によって引用されたりもする良書。
この2冊を読めば第二次世界大戦のイタリアの動きや背景を現地・上層部の
両方から見ることが出来る。おすすめです。
・飯山幸伸『WWIIイタリア軍用機入門』
イタリアの軍用機を網羅的に、簡潔に三面図付きで記述した文庫本。
インターネットお絵かきマンの方々には資料にもなりますので是非。
Amazonで在庫があります→http://amzn.to/2lSgNJF
・瀬名堯彦『仏独伊幻の空母建造計画』
日本語でイタリアの空母開発を知ることが出来るのはこの1冊だけ。
値段も700円ちょっとと安いので是非とも買って読んで欲しい1冊。
Amazonで売ってます→http://amzn.to/2hbR5hC
軍事史は日本だとどうしてもミリタリー本しか無いのが残念。
英米とかイタリア本国の軍事史研究が輸入される日は来るのでしょうか。
出版社、作家の方々にも頑張って頂きたい所です。買いますから。
↓拙作346戦記も良ければどうぞ。↓